はじめに
店頭でお客様の話を聞いていると、ある共通点に気づきます。
たくさんのバッグや財布を持っている人でも、実際に修理を検討するのはごく一部です。すべてを直すわけではありません。むしろ、片手で数えられるほどの限られた製品だけが修理対象になります。
その判断基準はシンプルですが奥が深い。
「どうやって手に入れたか」という行動の記憶、所有に対する思い、そして実際の使いやすさ。
この3つが重なったとき、人は自然と「修理して使い続ける」という選択をします。この記事では、店頭ヒアリングから見えてきたその行動指標を整理します。
行動を伴って手に入れた物は手放しにくい
旅行で購入した製品が特別になる理


特に印象的だったのが、ハワイ州で購入したバッグや財布の話です。
旅行先での買い物は、日常のショッピングとは性質が違います。計画を立て、現地へ行き、店舗を探し、実物を見て選ぶ。その一連の行動には時間と労力、そして達成感が伴います。
お客様からはこうした声がありました。
「ハワイで買ったものだから、傷んでも簡単には手放せない」
ここで重要なのは価格ではありません。入手までのプロセスそのものが価値になるという点です。行動と結びついた製品は、単なる消費財ではなく、体験の記録になります。
だからこそ、傷んだときに最初に浮かぶのが「買い替え」ではなく「修理」という選択です。
所有の思いが修理という判断を生む
初任給で買った財布が持つ意味


もう一つ多かったのが、初任給で購入した高級財布の話です。
初めての給料で選んだ製品は、多くの人にとって人生の節目を象徴します。一度は使わなくなっても、時間が経つと再び手に取る人が少なくありません。
理由は感情だけではありません。
- 長年使って手に馴染んでいる
- 革の質感が自分の使い方に合っている
- 操作が無意識にできるほど慣れている
つまり、所有の歴史が使いやすさに直結しているのです。
思い出があるだけでは、人は修理しません。そこに「今でも使いやすい」という実用性が加わったとき、修理という選択が現実的になります。
ワンクリックで買える時代との対比
手軽さと記憶の薄さ


現代はスマートフォンで数秒あれば何でも購入できます。便利ですが、入手までのプロセスが短い分、記憶に残りにくい側面があります。
一方で、時間と行動を伴って手に入れた物は、記憶と強く結びつきます。
店頭ヒアリングから見えてきた共通点は明確です。
- 簡単に手に入らなかった物ほど修理される
- 購入背景にストーリーがある
- 長期間の使用で身体に馴染んでいる
行動・所有・使いやすさが揃った製品だけが、修理対象として残ります。
買い替えと修理で迷う瞬間
長年使った製品は、修理箇所が増え、費用もかさみます。その段階で多くの人が一度は中古市場を調べます。
「この金額なら中古で同じものが買えるのではないか」
しかし、同じモデルを見つけても、最終的に修理を選ぶケースが多いのが現実です。
まず大きいのは、同じ型番でも自分の物とは別物だという感覚です。キズや経年変化も含めて、長年の使用によってその人の時間が刻まれています。それは新品にも中古品にも再現できません。
さらにヒアリングでは、こんな声もありました。
「中古で同じものがあっても、誰かが使っていた物だと思うと少し距離を感じる」
中古品を否定しているわけではありません。ただ、自分が使ってきた個体と、見知らぬ誰かが使っていた個体の間には心理的な差があります。
だからこそ多くの人がこう考えます。
それなら、自分の物を直して使い続けたい。
修理は単なるコスト比較ではなく、所有の継続という選択です。
職人の視点から見た修理の価値
現場の立場から言うと、長年使われた革製品の多くは、適切な修理によってさらに寿命を延ばせます。
特に価値が高いのは次のような製品です。
- 上質な天然皮革を使用している
- 基本構造がしっかりしている
- 日常的に使い込まれている
長く使われた製品ほど、修理後の安定性も高くなります。思い出がある物に技術で応えることで、使用期間はもう一段階伸びます。
修理は延命処置ではなく、次の使用段階への再構築です。
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結論:修理は時間を引き継ぐ行動
店頭で見えてくる現実は明確です。
人が修理を選ぶのは、
- 行動して手に入れた記憶
- 所有に対する思い
- 今でも通用する使いやすさ
この3つが重なったときです。
便利な時代だからこそ、時間をかけて選び、長く使ってきた物の価値はむしろ際立ちます。修理という行為は、古い物を直すことではありません。
それは、自分の時間と歴史をこれからも使い続けるという選択です。
