「バッグのハンドルがボロボロになってしまった」
「バッグの底に穴が空いてしまい困っています」
「サン・ルイのサイズ変更などのカスタマイズできないか」
鞄修理専門店コルサ(CORSA)では、このような修理依頼を月20〜30件、年間300件ほど承ってきました。
ここでは、弊社の修理職人がレザー製品のよくあるトラブルや修理内容などを解説していきます。
ゴヤール(GOYARD)の特徴
サン・ルイ、アンジュ、サイゴン、ブルジェなど、高品質なバッグで世界中のセレブたちを魅了する「メゾン・ゴヤール(Maison Goyard)」の歴史は、1792年にフランスでオープンしたトランクメーカー「メゾン・マルタン」から始まりました。2代目はルイ・アンリ・モレル、彼から跡を継いだのが創業者となるフランソワ・ゴヤールです。メゾンの名前は1853年に「メゾン・ゴヤール」へ変わりましたが、初代から続くトランク製造で事業を着実に拡大していきました。グローバル展開や製品が多様化するようになったのは、長男エドモン・ゴヤールが社長に就任した1885年以降のこと。
ゴヤール(GOYARD)のアイコニックといえば、ブランド名中心の「Y」字を組み合わせたドット柄のキャンバス生地でしょう。1892年に開発された「ゴヤールディン・キャンバス」という種類で、天然樹脂のコーティングを施したリネンとコットンのキャンバスを着色する独自の製法がとられています。豊富なカラーバリエーションと高い柔軟性・耐久性・耐水性があり、経年によって色艶が増すのも特徴です。革にはクラムシーカウハイドレザーやグレインレザーなどが使われていることが多く、こちらも丈夫な素材として知られています。
ゴヤール(GOYARD)のバッグは生産数量が限られており、直営店でしか手に入りません。日本では東京、京都、大阪、名古屋にある6店舗のみ。その上、限定色や「スヌーピー・スペシャルマーカージュオーダー」などのコラボバッグの販売、自分のオリジナルデザインをバッグに入れられるパーソナライゼーションサービスもあり、まさにプレミアムなバッグと言えるでしょう。ちなみにオンラインショップはなく、メールなどを介した遠隔販売サービスがあります。
修理依頼があったゴヤール(GOYARD)製品
これまでコルサ(CORSA)では、ゴヤール(GOYARD)のさまざまなバッグの修理を承ってきました。
ゴヤール(GOYARD)シリーズのラインでは
・アンジュ・アルトワ・ベルシャス・サン・ルイ・ボエム・アーディ
・ルエット・イザベル・ヴィエット・ヴォルテール・ベラーラ・アルパン・プティ・フロ
・ベルヴェデーレ・カップヴェール・プリュメ・モンテカルロ・ポワティエ・サイゴン
・ヴァンドーム・サン・マリー・セナ・アンバサッド・ボーイング・カペシアン・シタダン
・スティーマー・サン=レジェ・ブルゴーニュ・233バッグ・クロワジュール・マティニョンGMなど
上記のラインが鞄修理専門店でも修理のご依頼が多いです。
ゴヤール(GOYARD)の修理について
ゴヤール(GOYARD)正規店の場合
修理を依頼する場合は、購入店舗もしくは公式HPから問い合わせてください。
詳しくは、ゴヤール(GOYARD)HPの「アフターセールスサービス」をご参照ください。
正規店の場合はオリジナルパーツや素材で修理されますが、「修理代が高額」「代替品がない場合は断られる」こともあります。
申し込み前に、以下の内容も確認しておきましょう。
・保証書や購入レシートがあるか
・正規のブティックで購入した品か
・初期不良に関しては、無償もしくは有償にて対応可能か
コルサ(CORSA)の場合
店舗持ち込みや配送依頼の他、電話、メール、LINEにてお問い合わせとお見積りを承っております。修理は数千件の実績を持つ職人たちが行い、メーカー保証対象外のご相談に対応できる他、オリジナル品に類似したレザーや生地、金具、素材を使用することで費用を抑えた修理が行なえます。またご相談内容によってはご予算に合わせた修理を行うことも可能です。修理後は、万一のトラブルが起きてもご安心していただける修理後3か月保証制度を採用しております。
細かな納期や金額で不安な場合は、ゴヤール(GOYARD)とコルサ(CORSA)での相見積もりがオススメです。コルサ(CORSA)では、メーカーで断られてしまったトラブルの修理実績があります。諦めずにご相談ください。
まずは修理可否を聞いてみる
ゴヤール(GOYARD)の修理ならCORSAにお任せ
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CORSAは安心の修理後3か月保証
問い合わせはメール・LINE・お電話にて承っております
ゴヤール(GOYARD)の主なトラブルと修理実績
170年を超えるトランク作りの技術が詰め込まれたゴヤール(GOYARD)のバッグは、ほとんどの製品に「ゴヤールディンキャンバス」が使われています。19世紀頃のフランスで使われてたビヨード(ヤッケのようなもの)のプータングリス生地から開発されたものなので、防塵性や耐水性、防腐性、柔軟性などに優れ、しかも軽量。使い込むほどに古色の美しさが増していきますので、正しいメンテナンスを行えば長く楽しんでいただけます。
しかし、生地のコーティング劣化や不意の傷や穴あきなどはつきもの。万一故障を発見した場合は、ゴヤール(GOYARD)製品の多数の修理実績を持つコルサ(CORSA)にお気軽にご相談ください。
ここからはゴヤール(GOYARD)製品の主なトラブルと、コルサ(CORSA)での修理内容や交換実績をご紹介します。
ハンドル交換(平手・丸手・サンルイ)修理について
ゴヤール(GOYARD)のバッグは6種類あり、ハンドルタイプが主流です。修理でよくあるラインはサンルイやクロワジュール、ベルシャス、アーディなど。ハンドル部分に革が使われている場合は、乾燥や疲労によって擦り切れてしまったり、縫製がほつれたり、コバ(バニッシュ)が傷んだり、剥がれたりする可能性があります。丸手型になると内部の芯材が劣化して折れたり割れたりすることも少なくありません。
修理の際は、事前にハンドルの幅や長さ、厚み、色味を測定。同系色の汎用素材で左右一式交換しコバの塗布も施しますので、見た目の違和感なく使用できます。
サン・ルイ(St Louis)のハンドル交換については
サン・ルイ(St Louis)や形状が似ているアンジュに使われているハンドルには弊社独自の金型を使っており、ジュニア・PM・MM・GMどのサイズも対応可能です。また11色もある定番色を修理できるよう多彩なレザーをストック。限定色のような場合も色味を作成しスプレーガンで染色いたします。
サンルイのハンドルについては弊社独自の金型を使用し、ファクトリー同等の方法にて修理を行わせて頂いておりますので品質面では高いパフォーマンスにてご提供を行っていますので安心して修理が可能です。
実際に使用するサン・ルイ用のハンドルのご紹介を行っていますので再現性なども気になるお客様についてはこちらもご参照ください。
ハンドル交換(丸手)
17600円~(税込み)
丸手ハンドル交換については、内側の芯材の厚みを測り使用する芯材の選定を行い、同色系統の色味のレザーにて作成し交換を行います。
ゴヤールディン・キャンバスの修繕や補強修理には
リネンとコットンで織られたゴヤールディン・キャンバスは、古くからトランクに使われている生地でとても強度があります。しかし、耐荷重を超えるものを持ち運んだり、鋭利なものや過度な熱に接触させたりすると破れや傷がついてしまいます。
ゴヤールディン・キャンバスの修理をご希望される方には、「丈詰めの修理」か「四つ角当て革補修」をご提案しております。「丈詰めの修理」では、底面バインダーを解いた後に損傷している箇所から数ミリほど上部を帯状に裁断。その後、解いた箇所を内側に縫製して元の形を再現していきます。やり直しがきかない作業のため、熟練の職人が慎重に対応いたします。「四つ角当て革補修」は、四つ角にできた傷のサイズに合わせて同系色のレザーを扇状に当て、張り込み補修を行うものです。全体のデザインを崩すことのないように取り付けますので、修理後も違和感なくご使用いただけます。
ご依頼品の状態に合った修理方法をこちらからご提案しておりますが、お客様からご指定いただくことも可能です。
ゴヤールディン・キャンバス修理のタイミング
・キャンバスの底に穴が空いてしまった
・キャンバスの四つ角が擦れてしまった
口元バインダーの交換修理について
サン・ルイやアンジュ、ヴィレットといったトートバッグの口元バインダーには、レザーが使われています。この部分は汚れや乾燥、摩擦による傷がつきやすく、さらにケアを忘れてしまいがちな箇所です。
口元バインダーを交換する場合は、現状の製品と同じ色味のレザーを用意して巻き直します。
口元バインダー交換
12100円~(税込み)
トートバッグなどの口元やショルダーバッグの縁の箇所のバインダーの交換箇所がバインダーとなり、交換の際には同色系統のレザーにて交換となります。
となります。
バニッシュ部分の剝がれなどの補修については
ゴヤール(GOYARD)のハンドルやコバの断面には、溶剤を使ったバニッシュ処理が行なわれています。何らかの原因でトップコートが剥がれてしまい、色味が剥がれてしまうことやべたべた・ベタつきが衣服などに付着することがあります。
修理では、一度断面の溶剤を全て剥がした後、下地作り→染色→仕上げ溶剤塗布の3工程からなるバニッシュ再塗装を施します。現状ハンドルの色艶に合わせて仕上げますので、違和感なく再現をしていきます。
バニッシュ再塗装のタイミング
・断面のコバ溶剤の部分がベタつく
・断面コバの色味が剥がれてきている
・コバの溶剤が他の箇所に付着するなど
クリーニングや染色(染め直し)については
サンルイのキャンバス生地ではクリーニングでは完全に汚れなどは落ち切らないケースもありますが、そのような場合には現状のレザーバインダーの縫製を解き、解体してから似寄りの色のキャンバス生地を新たに3パーツ(表・裏側・底)の部分に張り込み、バインダーを巻き直す修理方法もあります。
新たにキャンバス生地を張り込み完成後の重みの測定ですが、弊社調べで元のサンルイの重さは約250gとなりキャンバス生地を追加した場合ですと約300gとその重さの対比としては50g程度となりますので修理後の極端な重さのデメリットはないかと思います。
新たに生地を追加するメリットしては底部分・左右マチ・ハンドル部分に比重の負担が掛かった場合でも強度が出る為に表面に負担が掛からずご使用できるメリットがある点と長きにわたり使用していると自立しづらくなりますが、ハリのあるバッグになるメリットもあります。
またキャンバス生地の色味は複数の種類がありますので現状の色味から別色へのご提案も可能です。
クリーニングについてはゴヤール(GOYARD)購入時は綺麗な状態でも使用していく中で製品に汚れが付着してシミになったり、色スレや退色を起こすケースがあります。
その様な場合にはクリーニングや染色にて改善や染め直しが可能です。
※染直しについてはレザー製品のゴヤールのみのご対応となります。
部分染色
11000円~(税込み)
小物製品は7700円~(税込み)
四つ角のスレキズやワンポイントの退色には部分染色が可能です。現状の症状に合わせた色味を作成し部分的染色を行います。
※染色については大きさや構造により金額は異なります。
全体染色(染め直し)
24200円~(税込み)
小物製品は11000円~(税込み)
全体的な退色や表面部分の黒ずみなどがある場合は全体の染め直しが可能です。
現状の色味と事前に再現し確認後染め直ししていきますので安心してご利用が可能です。
リサイズなどのカスタム修理については
時が経つとライフスタイルが変化し、愛用していたゴヤール(GOYARD)のバッグが「もうちょっと使いやすいサイズだったら…」と感じることがあるかもしれません。弊社には実際に「サン・ルイの大きいサイズを購入したが、ジュニアとPMの中間サイズに変更したい」というリサイズのご相談がありました。
上記のご相談の場合は、経年変化した生地や内側のバインダーなどの各パーツをすべて採寸し、デザインを崩さないよう裁断。レザーパーツは一式作り直してから、バッグを組み立てました。一点一点を作り直すという難易度の高い作業でしたが、お客様には「バッグが新しい姿になって、より愛着が湧きそうだ」と喜んでいただけた案件でした。
もしリサイズなどのカスタマイズをご検討していましたら、ぜひお気軽にご相談ください。大切なバッグの思いをつなぐため、誠心誠意対応させていただきます。
■コルサ(CORSA)での修理参考価格・納期目安
修理内容 | 参考価格(税込) | 納期目安 |
ハンドル交換(平手)/(丸手)/(サン・ルイ) | 15400円~/17600円~/18700円〜 | 24日~ |
生地丈詰め補修 | 12100円~ | 18日~ |
四つ角当て革補修 | 14300円~ | 19日~ |
口元バインダー交換 | 12100円~ | 20日~ |
バニッシュ再塗装 | 8800円〜 | 18日〜 |
クリーニング | 11000円~ | 18日~ |
部分染色/小物製品 | 11000円~/7700円〜 | ※要確認 |
全体染色(染め直し)/小物製品 | 24200円~/11000円〜 | ※要確認 |
リサイズなどのカスタマイズ | ※要見積もり | ※要見積もり |
※納期はご依頼品の修理内容や資材手配、混雑状況によって変動いたします。
ゴヤール(GOYARD)のメンテナンス方法について
・重いものや鋭利なアイテムの持ち運びは避けてください。 ・湿気にさらしたり、人工または自然の光や過度の熱に長時間さらさないでください。 ・汚れた場合、スポンジなどで擦らず、糸くずの出ない柔らかい布で軽く拭きあげましょう。 ・内側のホコリは柔らかいブラシで取ってください。 ・市販の洗浄剤やケア用品、洗濯機で洗わないでください。 ・長期間使用しない場合は、あんこ(丸めた紙)を詰めた上で付属のフェルトケースに入れ、冷暗所で保管しましょう。プラスチックケースは使用しないでください。 詳細は公式HP(https://www.goyard.com/ja_jp/how-to-take-care-of-your-goyard-jp/)をご参照ください |